FC2ブログ

政治経済ーー12(「ジオン公国」でツッコむ、「地方の過疎化」と「道州制」の正体)

susa

 政治経済ーー12(「ジオン公国」でツッコむ、「地方の過疎化」と「道州制」の正体)
 スペースコロニー
スペースコロニー
 来たるべき未来、宇宙に進出した人類が、永住の場として宇宙に建造するかもしれない、人口の生活空間。もし、コスト的にこのスペースコロニーの建造が十分に意義のあるものであった場合、人類の宇宙開発は、ある時点を境に飛躍的に増加して、地球から遥か遠く、どこまでも生活圏を拡大し続けてゆくだろう。だが、もしも「ペイしない」となった時、スペースコロニーは存在する間は、流刑場のような、ゴミ捨て場のような役目を負わされて、特殊な例外的自乗でもない限り、新たに建造されることは無くなるであろう。

 かつて、「地方分権」という言葉が盛んに用いられていました。
 それが、「道州制」という言葉の登場によって、すっかり廃れ、今ではほとんど見かけることはなくなりました。
 それでも、インターネット上には今も、古い記事が多数残っていますので、全く見かけない、というわけではないのですが、読めば大抵、それは日付がものすごく古い記事だったりします。
「地方分権」とは、一体何だったのでしょう?
 当時語られていた「地方分権」とは、自治体が必要とする事が、国の都合で何時までたっても初められない、というような状況を改善するため、「計画の実行とそれをする予算の裏付けを地方にもっと委ねろ」というような意味合いが強かったと思います。
 インフラ整備などは、国が「ここを優先する」と優先順位を付けてしまうため、優先順位が上位の計画は、事業が急ピッチで進む反面、後回しにされた地方は、何十年も放ったらかしにされてしまいます。
 バブル崩壊以降は、特に地方は地元業者に仕事を回してやりたいという事情もあって、「予算と権限」を必要としたわけです。ですが、国はそれを拒み続けました。
 結果として、自治体は「借金」をするなどして、なんとか不況に対処しようとしました。
 ですが、何時までたっても不況から抜け出せないので、首都圏を除く、ほぼすべての自治体の財政状況が、思いっきり悪化してしまったわけです。

 何時の頃からか、「道州制」という言葉が聴かれるようになりました。
 道州制と地方分権を、同じ意味に解釈している人も居るかと思いますが、実際には異なります。
 道州制というのは、それぞれの自治体が「ひとつの小国家」のような立場になるということです。
 イメージとしては、「EU連合」に近いものです。
 移民を入れるか入れないか、公用語は何語にするか。輸出入品にかける税率は?
 どこの国と、どんな外交関係を結ぶか。
 州独自の自衛組織(軍)を持つか持たないか。
 その自衛軍の指揮権を統括するのは誰なのか?
 道州制のもとでは、国が定めていないことに関しては、何でも出来ます。

「地方分権」とうのは、「出来ることを幾つか増やせ」です。
「道州制」というのは、「(国境問題等の国家規模の問題を除き)身の回りの事は、基本的に全部地方にやらせろ」

 です。
 ガンダムの世界で例えるなら、「地方分権」というのは、各スペースコロニーが要求していた、「選挙に立候補する自由」「予算執行や行政に自分たちの声を反映させろ」というようなレベルの要求です。
 これに対して、「道州制」というのは、「独立宣言前夜のサイド3」とか、「独立戦争開始以後のジオン公国」のような存在です。
ジオン公国(国旗を掲げる民衆)
地球連邦政府からの独立を目指すと宣言したザビ家に対し、声援を送る観衆 アニメでは語られていないが、おそらくこの時点でサイド3(ジオン)は、膨大な額の独自通貨を発行しているはずである。独自通貨を発行することそれ自体は、必ずしも独立と同意ではない(日本の自治体の中にも、地域通貨を発行しているところがある)が、発行した通貨が膨大になり、基軸となる通貨との換金にその組織が対応出来ないような自体に陥ると、「何らかの措置」を講じる必要に迫られることになり、「措置」を摂ることが出きなかった場合は、その独自通貨は「紙くず同然」となって、その組織は事実上、すべての場面で「財政的裏付け」が出来なくなる。つまり、「破綻する」。ジオン公国が地球連邦政府に独立戦争を挑んだというのは、結局は、「このままでは経済破綻してしまう」という、経済問題から導き出された、残酷だが、自らが生き延びることを再優先した場合、最も現実的な帰結だったのかもしれない。

 つまり。
 道州制の下では、まず、EUで観られたような勝組、負組の2分化が進行し、負組となった自治体は、著しい景気後退や過疎化や「植民地」に等しい状況に陥ります。
 また、「勝組」となったはずの自治体も、ある時点を境に、必ずデフレに陥ります。
(現在のEU諸国も、軒並みデフレ化が進行していますよね?)
 何故か?
 通貨発行権を持たないからです。
 通貨を発行しない所で、一部の勝組(巨大企業)が膨大な額を吸い上げてゆくので、それ以外の所にお金が回らなくなるのです。
 これを打開するためには、「通貨発行権」を確立し、独自にお金を擦りまくるしかありません。
 そうしなければ、勝組でさえ、長期のデフレスパイラルに陥るのです。
 負組に至っては、「死ね」と言われているようなものです。
 結果として、強烈な対立構造が生まれ、人々が憎みあうようになります。

「効率化」とか。
「経費の節約」とか。
「人件費の削減」とか
 そういう方向で対処しようとすると、不幸だけが拡大してゆくのです。

 お腹が空いた時、「我慢する」が、解決法に成り得ないのと同じです。
 お腹が空いた時の解決方法は、「食べる」以外にないのです。
 デフレの時の解決方法は、「お金を増やす」以外にないのです。つまり、「通貨を刷って、それを(公共投資や補助金といった形で)市場に還元する」しかないのです。

 ところが。
 この最も大切なプロセスに対して、「国の借金がぁ〜」
というネガティブキャンペーンが展開され続けてきたのが、この四半世紀。つまり、「失われた◯◯年」でした。

 そして。
 本当の解決策がタブー視された結果。
 人々が見出してしまった解決方法が。
「共食い」でした。
 つまり、社会的弱者や若年層にツケを押し付けたのです。それは、「非正規雇用」や、「ブラック企業の容認」や、「消費増税」といった形で行われました。
 あるいは、ツケを、力の弱い「地方」に押し付けたのです。
 そのようにして、
「過疎化」は留まるところを知らぬ勢いで進行し続けてゆきました。

 その裏で、「勝組」達は、仮初の繁栄を手に入れました。
 しかし、これは結局、「タコが自分の足を食べている」
という行為となんら変わるところがありません。
 いいえ。
「移民」というおかわりが出来るところが、もしかしたら「タコの足」とは若干違うのかもしれません。
 ですが、他所から持ってきた足の先には、身体がついていたりして、そのウチに、今度は自分が喰われる側になってしまうと思います。

 ガンダムの世界でいうと。
 おそらく、独立戦争前夜まで、ジオンは「宇宙の中で勝組」だったのでしょう。他のコロニーに対して、不当な圧力を掛けたり、搾取をしたりといった行為を、日常的に繰り広げていたにちがいありません。
 そして。それが出来たのは、「経済力」が伴っていたからです。
 しいていうならば、今の「東京」
のようなものです。
 ですが、地方が本当に疲弊し尽くしたあと、東京に何が起こったでしょうか?
 今の東京は、本当に繁栄していますか?
 庶民が、不安なく暮らせていますか?
「外国人(外国資本)の氾濫」ではないでしょうか?

「ストレスまみれ」ではないでしょうか?

 サイド3の中にも、ある時期までは彼らが忌み嫌う「地球市民の資本」が大量に雪崩れ込んでいたはずです。
 そして。
 サイド3の住民たちは、「なんか、おかしくないか?」「なんで、一番得をするのが地球の資産家なんだ?」

 などと、ザビ家の指導力に疑問を抱いていたかもしれません。

 実は、ナチス政権化のドイツにおいても、同じことが起こりました。
 第一次世界大戦の膨大な賠償金を「踏み倒し」、失われた領土を「奪還する」ことを目指したナチス政権ですが、実は、戦勝国アメリカから、様々な技術支援、物質的援助を受けています。
 ナチスを支えた巨大企業は、ことごとく、アメリカの巨大企業と繋がっていました。

 ドイツがもしも、「軍事力以外の政治」で状況を改善しようとしていたら、いずれかの時点でドイツ国民から、「なんで、アメリカ企業がドイツから莫大な利益を吸い上げるんだ?」という声が上がるようになり、ナチス
の権威は失墜したことは、間違いありません。

ヒトラーとドイツ軍兵士たち
巡視するヒトラーと、それを出迎えた兵士たち  ヒトラーという人物の抱いていた政治的ビジョンというものは、実はさほど大したものだったわけではなく、ただ、「弱小組織であるナチス」を大きくするためにはどうすればいいか、という、対処論で突き進んでいった結果、「あんなことになってしまった」というのが実態であるらしい。もちろん、「祖国ドイツを復興させる」という使命感に関しては、人一倍大きかったのは確かだろうし、演説に関しては「天才」という言葉では収まらないほど、神がかっていたのは事実であろう。彼の敗因は、「自分より賢い人間はいない」
と思い上がった事であろう。そして、状況が複雑化を極め、自分の対処能力の限界を超えてしまった時、彼は状況に対して無力となり、翻弄されるがままとなり、国民を道連れにしたまま、破滅の道を辿ることとなった。

 同じように、「軍事力」というオプションを使用しなかった場合、ザビ家の権威は早晩、失墜して、「裏切り者」「売国奴」と罵られる立場に転落していたことでしょう。
 結局のところ、ジオンには「軍事蜂起」という選択肢以外に残されてはいなかったことになります。
 これを、「ちゃぶ台返し」と言います。

 同じように。
 道州制の先にあるのも、何らかの「ちゃぶ台返し」以外にないでしょう。
 もっとも、「道州制」で真っ先に思い浮かべる「日本維新の会」は、その前段階として「国政政党として国政に影響力を行使する」というオプションを使用しています。ですが、もし仮に、日本維新の会が国政の場での発言力を失ってしまい、問題解決のために国を動かせなくなったとするとーーあとは、非常に過激な手法に訴えるか、自治体を財政破綻に追い込むかのいずれかしか道はないと思います。

スポンサーリンク

Posted bysusa

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply