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政治経済ーー07(「空腹」で味わう、劣化してゆく人間性)

susa

政治経済ーー07(「空腹」で味わう、劣化してゆく人間性)
ガンダム(子供の食事を盗む老人)
「機動戦士ガンダム」の中でも、特に有名なシーンの一つ 子供の食事を掠め取る老人
 子供の頃、このシーンを観て大変な衝撃を受けた、という方も多いのではないだろうか? この時、ホワイトベースは地球上にいた。予定では、大気圏を抜けた直後にジャブローに到着出来ていたはずなので、もしかしたら、ホワイトベースはルナ・ツーにおいて、十分な食料の補給を受けられなかったのかもしれないが、軍用艦として、これはあまりにもお粗末な状況である。

 7回目です。

 食べ物は、人を平然と、悪魔や鬼に変えてしまいます。
 空腹時、食べ物を得る為であれば、人は平然と他人を殺すこともあります。
 何故でしょう?

 それは、脳が単純に、「サバイバルモード」に切り替わってしまっているからです。
 これを管轄しているのは、「扁桃体」という部位です。生物の中ではとりわけ巨大な人間の脳。その巨大な脳の中の、非常に小さな小さな器官です。
 普段、人間は「前頭葉」という部分を使用して思考しています。それが、一気に失われてしまい、扁桃体が主導権を握るようになるのです。
 その結果、人間の脳の活動は、他の哺乳動物と同水準になります。

 つまり、ケダモノです。

ガンダム(食事の量で口論するカイとタムラ)
パイロットのアムロやリュウよりも食事の量が少ないと文句を言うカイと、挑発されて怒りを顕にするコックのタムラ。結局、この後カイは「食事の増量」を目的としてパイロットに立候補して、ガンキャノンのパイロットとなる。

ガンダム(缶詰を運ぶカツ)
サイド7を出港した直後の食料配給の様子。カツが缶詰を運んでいる。

 さて。
 食糧が不足することが予想できた時、人間は一体、何をするでしょう?
 まっとうな感覚があるならば、その答えは「食料の増産」です。

 もっと「お金を稼ぐ」という意見の方もいるでしょうが、それは単に、「稼げた人がお金の力で他人から足りていない食料を奪い取る」
という行為でしかありません。要するに、冒頭の「子供の食事を掠めとる老人」と同じって話です。

 ですが、現代の日本人は、「自分の手で食料を作る」という感覚が欠如している方があまりにも多く、逆に、「食べ物=お金で買うもの」という感覚が染み付いてしまっています。
 だから、「お金をもっと稼げばいい」という、根本的な解決方法にならない手法を「解決方法だと錯覚して」選択してしまいます。

 更にいうと、「極度の空腹」が人間から理性を奪い去ってしまうのと同じように、「極度の金銭不足」もまた、人間から理性を奪い去ります。何故ならば、脳の中で「お金さえあれば解決する」という回路が、私達現代人の脳の中に、組み上げられてしまっているからです。

 そして。
 
お金が足りない、と感じるようになった人間は、ケダモノになります。
 日本社会が、この四半世紀で確実に劣化してしまったのは、そのような「ケダモノ化」が深く関係しています。

 ところで。
 食糧不足の時は、「食料を増産する」という解決方法がありました。
 では。
 お金が足りていない時は、いったい同すれば根本的な解決方法になるのでしょう?
 解答は、「市場に流通するお金の量を増やす」です。
 そして、それは単に「お金を発行する」という話ではありません。
 食料を増産しても、それが人々の手に届かなければ意味がないのと同じように、発行したお金は、使われなければなりません。
 お金を発行するのは政府なので、政府がそのお金を使わなければならない、ということです。
 日本の場合、紙幣を刷るのは日本銀行の役割なので、日銀に紙幣をすらせて、政府が赤字国債を発行してそれを日銀から調達し、さらに発行した赤字国債を日銀に買い取らせるという事になります。

 これを、平たくいうと、「国債を発行する」となります。

 つまり、「お金を刷って、公共投資や政府の役割をもっともっと増やす」ということです。
 水道事業等を「民営化」するなど、真逆のことなのです。

 この辺りの仕組みが理解できない人は、「お金さえあればなんでも買える。それで問題は解決できる」という感覚が染み付いてしまった結果、本当の「現実」が見えなくなってしまった方です。

 そろそろ、そのような「お金万能論」は、は「現代病のひとつ」として認識されるべきなのかもしれません。

つづく

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Posted bysusa

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