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いきもの憑りのお話ーー61

susa

いきもの憑りのお話ーー61

   ヒメダカ
ヒメダカ
 品種改良によってクロメダカ作られた、観賞用のメダカで、ホームセンター等で売られているメダカといえば、クロメダカではなくこちらのヒメダカであるケースのほうが圧倒的に多い。クロメダカより警戒心が薄く、食欲が多せいで産卵率も高く、おまけに産卵する卵の数も多いため、条件さえ整えば簡単に増える。飼育が用意であるため、他の捕食者のための餌としても、「定番商品」となっている。個人てきな話になるけれど、子供の頃、メダカを何世代もずっと水深がギリギリの場所で飼育し続けてれば、ヒレが発達して歩きまわるような個体が現れ、そのうちに陸へも上がろうとするんじゃないか? なんてことを考えて、機会があれば、実際に実験したいと思っていた。

 この記事は、いきもの憑りのお話ーー60》の続きです
 保護して増やして、それでまた帰してやるつもりで獲ってきたメダカが、意に反して壊滅してしまい、残りがたったの2匹になってしまったのは、2015年だったつまり、この年の前年だったと記憶しています。
 そして、たった二匹ではあまりにも寂しいので、結局、野生のメダカではなくて、養殖物のヒメダカを買ってきて水槽に入れることにしました。
 同じ水槽に混在させると、いろいろと問題が起きそうなので、もともといた2引きのメダカは室内の小さな水槽で飼育して、ヒメダカは屋外の大きな水槽で飼いました。
 そうしたら、これまでのメダカよりも、遥かに繁殖力が強くて、どんどん増えてゆきました。おまけに、「熱くて茹だって死んじゃうんなら、水槽に何か置いてやって、直射日光が当たらないようにすればいいという、当たり前のことに気がついて、そのように対応した結果、ヒメダカは最初の年ですでに数十匹に増えてしまったのです。
 対する、もといたメダカはたったの2匹。

 なんだか、やるせないですね。

 その状況が、私には、私自身にも思えましたし、この国の行く末のようにも思われてしまいました。
「20年以上、何故か経済成長ほとんどゼロ」とか、「政府が少子化に対してまともに対応する気がないために、どんどん低下してゆく出生率」とか。
 そういうことを、暗示しているように思われました。

 そして、2匹のメダカなのですが、片方はかなり丈夫で立派なのですが、もう一方はひどく弱々しくて、結局、冬の最中だか、春になってからだかは忘れましたが、結局、死んじゃったんですね。

 結局、1匹だけになっちゃった。
 もう、絶滅決定。

 それで、いろいろ思案したわけです。

 もう、これはヒメダカの中に入れてやったほうがいいのかな?
 と。
 野に離してやって、万が一どこかにいる仲間と巡り会えたなら、それが一番幸せだろうけど、その可能性は限りなくゼロに近い。
 ヒメダカの水槽に入れてやれば、混血という形で血統は残る可能性が高い。
 だけど、その血はすぐに薄まって、結局は消えてしまったのとほとんど同じ状態になる。だって、血の濃さは、子供は1/2、孫は1/4、ひ孫は1/8と、どんどん薄くなるわけだから。
 そして、個体数では圧倒的にヒメダカのほうが数が多いから。

 でも、考えた挙句、水槽に混ぜてやることにしたんですね。
 それが、メダカにとって幸せだったかどうかはわからないけれど。

 そして、後日混血がたくさん生まれたーーというようなことはなくて、それからさらにしばらくしたら、最後に残っていたメダカの姿もいつの間にか見当たらなくなってしまったし、特に混血っぽいメダカも見当たらない。

 完全に絶滅してしまったのか、それでも、ほそぼそと血が残ったのかはわからないけれど。
 なんだか、実に意味深な出来事だったんですよね。この普通のメダカの一件は。
(ただし、ヒメダカの物語が、これとは全然違う形で展開されてゆくんですけどね)

 この出来事は、特に「縄文時代」の日本に暮らしていた人々のことなんかと結びついて、私の中でいくつかの物語になりました。

 それと。
 ヒメダカの話ーーなんですけどね。
 こっちの方は、「やたら増えまくる」んですね。

 そして、あるとき、はっきりと認識したんです。
「共食いしてやがる、こいつら」と。

 大人メダカは、容赦なく仔メダカを食べるんですね。
(今の日本も、そういうところがありますよね。若者からの過剰な搾取、みたいなやつ)

 実は、最大の敵は自分の親達だったという、壮絶なオチ。
 可愛らしくて、食物連鎖の最底辺の生き物だから、「みんなで助け合って生きているのかな?」とか思いたいところなんだけど、実際には、メダカはそんなこと全く考えてなくて、「力が全て」「口の中に入るものは全部餌」みたいに生きているんだよね。人間なら考え込んじゃうところだけど、メダカはそんなことにいちいち悩まないから、ものすごく「ふつう」に振る舞っているけれど。
 もしこれが人間だったら、水槽の中は「精神がおかしくなった連中のたまり場」になっちゃうなぁ……
 とか思ったりして。
 いや、そんなことはともかく、仔メダカを少しでも助けてやらなきゃ……なんて考えて、とにかく見つけたら子供だけの水槽に移すとか、必死の救助活動を行っていたんだけれど。

 ここで、またもや、おっかないことに気がついたんだ。

 メダカって、仔メダカ同士でさえ、共食いするんだよね。

 可愛い顔して、こいつら、悪魔の眷属かよ!!
 みたいな。

 そして、あるとき、数日感の間だけ、水草を移しておいた小さな容器があってね。
 たった数日感でも、卵がポコポコ孵化して子供だらけになったから、それですぐに水草をまた違うところに移したんだけど。これだけでも、200〜300匹はいたかな?

 こいつらだけは、共食いとかしないから、数が多いまま推移していったんだよね。

 そうすると、「格差が大きければ弱者は強者から喰われてしまう」「格差が小さければ小さいほど、世の中は平和に近づいてゆく」みたいな捉え方ができるわけ。

 ただ、やっぱり、この世界ってのはそんなに単純じゃなくて。
 更に気がついたんだよね。
「平等水槽」のメダカたちには、やたらと奇形が多い。

 ってことに。
 おまけに、「弱肉強食水槽」のメダカたちは、「平等水槽」に比べて体格が立派(奇形がいないわけじゃないけれど、平等水槽ほどじゃない)。

「共食い」は、残酷なことではあるけれど、「種」の生命力を高い状態で維持するためには、必ずしも「悪」ではなかったっていう、捉え方もできるよね。
 それに、「平等水槽」はどれだけ餌を与えても、なかなか体が大きくならないのに、そうでない水槽のメダカは、半年もすれば立派な大人になる。
(春に生まれたメダカは、順調に育てば夏の半ばには卵を産めるようになります)


 まぁ、なんていうか。
 すべてに、「一長一短」があって、「常にこれが最善」なんてものはないんだろうね、きっと。
 そして、これは「人間社会」でも、全く同じことが言えるんだよね。

 ただ。
 やっぱり私は、当時は「最後にひとりぼっちになっちゃった、地元の黒メダカ」に思い入れがあったよ。
 一人ぼっちになって、自分とは全然違う、ヒメダカの中に入っていったのに、結局は、そんなに長くは生きられなかった。
「ずっと隔離して、1匹だけ別の水槽で飼い続けてやってた方が幸せだったのかな?
 とか、思ったりすることもあったけど、でも、答えはなんとなくわかってんだよね。

 メダカは、「そんなことは考えない」から、「この疑問に対しては、答えなんてない」
 ってね。

つづく

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Posted bysusa

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