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いきもの憑りのお話ーー44

susa

いきもの憑りのお話ーー44

竹取物語(英語版)  
竹取物語 平安時代初期に編纂された小説で、日本最古の小説と言われている。作中で当時の政治を痛烈に批評する場面があり、当時の人々が、権力に対して批判が行えるある程度の自由が存在したことが伺える。物語の内容は至ってシンプルで、竹の中から生まれたヒロイン=かぐや(十九八)が急激に成長を遂げ美しい娘に変容する。多くの権力者たちが、その美しいかぐやに求婚するものの、かぐやはそれらをすべて拒絶して、軍事力の牽制もはねのけて、強引に月へと帰る。幼い頃から馴染み深い作品であるため、深い考察は行わなかったが、よくよく考えてみると、「そんな結末で本当にいいのか? なんなんだ、この作品は?」という思いが湧き上がってくる。自分を幸せにすると言って名乗りを上げた男どもを全員袖にして、育ての親までも見捨てて実家に帰るヒロイン。まさに、ゴーイング・マイ・ウェイ。いったい、何しに地球に来たんだ、コンチクショウ。これが、平安人のセンスなのであろうか?

 この記事は、いきもの憑りのお話ーー42》の続きです
 数週間後、職場に異変が起きました。
 上司が私の身辺に探りを入れてきたり。はやく結婚した方がいい、みたいな事を言い出したり。
 なんなんだ、この妙な空気は? いったい、何が起きているんだ?
 戸惑いましたが、まもなく答えが見つかりました。
 お察しの通り、「お月様」が独身だということが判明したわけです。
 そして、私に対して好意を持っている、みたいな事を、ポロッと漏らしてしまったらしいのです。

 そうそう。言い忘れました。
 彼女は、「天然成分」がかなりタンマリ入っていました。
 そういう感じの人だったので、いろいろと世話を焼いたりしていたのは、間違いなくて。
「あぁ。親切にし過ぎた……」
 と思ったのですが、後の祭りです。

 いや。
 彼女の事が嫌だとかいうんじゃないんですよ。
 良い人だと思っていた相手から好かれているのですから、本来は小躍りしたいぐらいです。
 けど。
 環境が悪すぎるワケです。
 それで、私がどうしたかというと――逃げ回ったわけです。
 話しをはぐらかしたり、とぼけたり。
 だって。話しを前に進めるわけにはいかないんだから、そうするしかないでしょうが。
 あの頃は、父親の酒乱が凄まじくて、我が家の庭先で毎晩のように酒盛りが行われるような状態だったですし。
 少なくとも、「そういうモロモロを上手く処理して、彼女とも上手く付き合う」みたな器用な真似は、私には出来なかったんですよ。
 というか、そういう器用なことが出来る人間なら、こんな貧乏くじばっかり引かされる人生なんて歩んでいません。

 つづく

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Posted bysusa

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