富士と日と月(二二と一と二三)ーー17

susa

富士と日と月(二二と一と二三)ーー17
ラーメンマン     
ラーメンマン 「キン肉マン」に登場した超人の一人で、後に「戦えラーメンマン」という漫画の主人公にもなったキャラクター。子供だった私は、こんな簡単な顔でいいなら、誰だって漫画家になれるんじゃないだろか? とか思っていた記憶がある。キン肉マンの世界の超人たちの一部には、額に文字が書かれているが、いった、これはどんな罰ゲームなのだろう? テリーマンなんて、英語圏なのに「米」だしなぁ。


 この記事は富士と日と月(二二と一と二三)ーー16》の続きです。

 扶桑駅にたどり着いた時刻は、午後の3時〜4時といったところではないかと思います。
 ここで、私は盛大に迷いました。

 いくつかの理由があるのですが、まず、致命的なのは「地図」を持っていなかったこと。
(この時の私は、スマホどころか携帯電話も所持していませんでした)。
 紙の地図も持ってはおらず、あるのはまんが喫茶で調べた時の住所だけでした。
 ところが、番地でたどっていっても、なぜかおかしな所に出てしまうのです。

 幹線道が変な具合にカーブしていて、まっすぐに歩いていたつもりが、気がつくと90度横に向かってしまっているという「罠」
もありました。そして、駅の形状が、北口と南口(西口と東口?)がよく似ていて、どっちがどっちか、わからなくなるという「罠」もありました。
 そして、歩きまわっているうちに、日が暮れました。
 完全な
「初見殺し」です。
「桜御陵」というぐらいなのだから、さぞ立派な建物なのだろう。
「何かの古跡に違いない。そんなものは、適当に歩いてもすぐに見つかるはずだ」
 そうタカをくくっていた私は、生まれて初めて訪れた土地の、恐るべき天然(人工?)の罠に嵌って、延々と歩きまわることになったのです。
 お腹が空いて、喉は乾いて、足は棒になりました。

「もう、今日は諦めて、何処かで宿をとって、明日また出直そう」
 幾度となくそう考えたのですが、またここまで来るのも手間だし、番地から考えて、「すぐにたどり着けるはずだ」という気持ちがあるため、「あと少し」「あと少し」で、結局、いつまでもあり着続けてしまいます。
 自動販売機でジュースでも買えば良いのですが、(お金を使いすぎていることもあって)買う気になりません。
 それで、自販機に近づくと、まるでこちらの気持ちを見透かしているかのように、「ヴーン」と鳴り出したりします(ホットを為に、ヒーターが回り始めたのでしょうし、よくある現象ではありますが、タイミングがよすぎて、ちょっとびっくりするのです)。
 この辺りは、大都市圏としては田舎で、畑がアチラコチラにあったりして、うちの近所では観たこともないような立派な大根が植えられていたりしたのが印象に残っています。

 そんなふうにして歩いていたのですが、突然、目の前にペットボトルの烏龍茶が転がっているのです。 当時の私にとって、全くしらないメーカーでした。
もちろん、中身が入っています。(おそらく、サンガリア)

 それを、なぜ手にとったのか、よく覚えていませんが、まるで「疲れただろ。これでも飲みなよ」とでも言われているような感じがしました。
 フィルムは傷だらけで、「どうしたら、ここまでぼろぼろになれる?」と言った感じでした。

「これって、ホンモノ? この世界って、やっぱり、おかしくないか?」
 そう思った私は、その烏龍茶をカバンの中にしまいました。
 もしかしたら、明日になったら消えているかもしれないし、中身が殻になっているかもしれない。
 もしも、そうなったら、自分は幻覚を観ていたという事になる。
 もしも、この烏龍茶がカバンの中にあったら、自分が体験していることはまぎれもない現実だということになる。

 そんな風に考えたからです。

 そして、疲れきっているにもかかわらず、飲まず喰わずの強行軍が続きます。

 同じ所をぐるぐると周り、扶桑駅に何度もたどり着いて振り出しに戻り、10時とか11時とか、体力的にも限界で、空腹にも耐え切れなくなった頃、公文塾のようなところで、尋ねたのです。
「この番地の所に行きたいのですが、このすぐ近くのはずなのですが、それらしい建物が見当たらないのですが、ご存知ありませんか?」
 と。

 すると、そこの先生だか事務の方だか曰く、「あぁ、それなら、まっすぐ行って、すぐのラーメン屋さんですよ」と、言うのです。

スパモン教-s
空飛ぶスパゲッティ・モンスター教 の宗教画 「ラーメン」は、スパモン教の祈りの言葉。詳しいことは、そして、《変態》という人種が生まれた――21(最終回)を参照のこと。

 へ?
 ラーメン屋?
 古跡とか、神社とかじゃないの?
 ワケが判りません。

 とりあえず、その場所へ向かいます。本当に、そこは眼と鼻の先の所にありました。
 お店の名前は「桜ん麺」だったと思います。
「錯乱」と「桜ん」で、かけてあるんですね。
 もしかして、私みたいなのが大勢いるんでしょうか?

 救世主。
 メシヤ。
 飯屋。


 ベタベタなダジャレですね。
 でも、こういう使われ方をするとは思ってもみませんでした。
 入り口の所に、二羽のブロンズ製の鶴がいて、「頭を撫でながらお願いをすると叶います」とか書いてありました。
 もちろん、「どうか、大難を小難にしてください」ってお祈りしましたよ。
 でもね。
 これと同じ鶴、私ん家にもいるんですよね。
 家のは三羽だけど。
 そうそう。もちろん、ラーメンも頂きましたよ。

 気のせいでしょうが、店員さんが、なんだか「あなたのことは、全部お見通しですよ」とでもいうかのように、クスクス笑っていた記憶があるのですが、本当にただの気のせいか、そうでなければ、時間の経過によって、都合よく記憶が改ざんされてしまったか、といったところなのでしょう。
 頼んだラーメンは、5種類の具材が乗っているやつだったのですが、これも、日月神示にそれっぽい事が書かれていて、なんだかなぁ……、とか思ったわけですが。
 錯乱はしませんでしたが、最後までキツネかタヌキに化かされたみたいで、ワケが判りませんでした。

エヴァンゲリオン「どんな顔したらいいのかわからないの」
新世紀エヴァンゲリオン」より 有名なシーン 綾波レイは、この直後に笑みを浮かべるのだけれど、私は、全く笑えるような状況じゃなかったなぁ。ここで大笑いできたら、大物なんだろうけどさ。

 味は、良かったですけど、極限まで腹が減ってたわけだし、頭の中が混乱してたし、正直、「味はどうでもいい」みたいな状態でした。

 この話は、まだまだ延々とつづくのですが、ひとまずオチが着いたし、キリもいいので、しばらく間を取るかもしれません。

 つづく

スポンサーリンク

Posted bysusa

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply