富士と日と月(二二と一と二三)ーー(06)

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富士と日と月(二二と一と二三)ーー(06)

 スサノオ 女神転生-L     
真・女神転生(PS2用ゲーム)より スサノオ  (古事記‥日本書紀によれば)イザナギより生まれた三貴子の長男。イザナギより根の国の王を命じられるが、「母に会いたい」と根の国を後にする。旅立ちの 前に高天原に赴き、アマテラスと対面。その際に、大いに揉める。高天原で問題を起こして地上に追放され、そこでやまたのおろちを退治し、王となり、出雲国 を興す。当方の考えでは、スサノオは一万年前に富士山の誕生の際に生じた一連の事件が縄文人の中で擬人化され、物語となり、・神格化されたものであり、スサノオは富士山の神(=山の神々の長=地上を統べる者)である。この辺りのことは、過去にこのブログ《スサノオは一万歳――その①》で発表しているので、興味があれば参考にしていただきたい。(ただ、当時はどのような方針で記事を書くか、定まっていないので、今と随分雰囲気が違い、違和感を感じると思う)

 この記事は富士と日と月(二二と一と二三)ーー(05)》の続きです。

 新世紀エヴァンゲリオンの「人類補完計画」に関する私の推測を簡単にまとめます。
(四月一日のエイプリル‥フールなんで、間違ってても大目に見てください)

 人類の願望が投影されたものが宗教・神話。
 そして、神。
 人間は、南極で手に入れてしまった「実在の神=アダム」とジオフロントで発見した「リリス」を用いることで「神の物語=神話」を現実化させることが可能であるという驚愕の事実を発見した。
(西暦2000年にセカンドインパクトが発生したのも、「ノストラダムスの予言」というある種の神話が神の意志に影響を与えたからだった? 
1年ズレはあるけれど

 アダムが現実化するものは、あくまで「神の物語」なので、実現させることの出来るは、「神にまつわる話だけ」。そのため、様々な「神話」を模したプロジェクトが実行に移された。当然のように、プロジェクトには、ことごとく「怪しげな」というか、「宗教色が強い」名前がつけられた。
 ゼーレの老人たち、のみならず、権力者の大半は、キリスト教の予言する「終末」が、実際に訪れることを恐れた。
 自分が地獄に落とされることは、ほぼ確実だったからだ。

 おそらく、ゼーレやその関連機関は、「終末の回避」を目的に活動していた。
 そして、そんな実験の最中、碇ユイが消滅した。
 ゲンドウは、これをきっかけに「人類補完計画」を思いついた。

 北欧神話を利用して、「人が神々となって生き残る未来」を、ゲンドウは提示した。
 それは、ゼーレの老人たちが受け入れられる、「未来」であった。

 だから、ゼーレが了承した「人類補完計画案」は、最終的には「ラグナロク」を経て世界に神々のみが生き残る状態を作り出すことだった。
 ところが、ゲンドウの真の狙いは、「北欧神話」の現実化ではなく、「日本神話」の現実化であった。
 例えば、「母親を亡くした子供をパイロット=神とシンクロする者」として起用する。これは、日本神話の「イザナミ」を亡くした後に生まれてくる三貴子と同じである。
 そうやって、ゲンドウはゼーレに気が付かれぬように、日本神話の方向へ未来を誘導していった。
 フォースチルドレン(鈴原トウジ)がパイロットとして一度も戦列に加わることなく「消えてゆく」ことは、この作品を観た方ならばよくお解りのことだと思うが、これは使徒の仕業というよりも、「神の意志が働いた」ということになる。


 神話の筋書きから逸脱させないために。
(日本神話の「神の子」に、四番目などいないから)

 エヴァンゲリオン4号機が消滅したのも、使徒の仕業ではなく、「神の力」だったのだろう。
(日本神話の「神の子」に、四番目などいないから)

 つまり、これが「アダム」というか、「神」の力。
 もしかしたら、ゲンドウは「神の影響下にある自分達の世界では、チルドレンは三人までしか存在できない」、というルールを薄々知っていたのかもしれない。

 さて、話を切り替えます。

 北欧神話では、「ラグナロク(神々の黄昏)」において、ヴァン神族とアース神族の全面戦争が起こります。
 昨日記事に書いた「ロンギヌスの槍」の持ち主であるオーディンは、「アース神族」です。ヴァルキリーも、フレイアも、トールも、北欧神話の有名所の大半はアース神族です。
 ですから、アース神族(ゼーレ)が繰り出してきた量産型エヴァンゲリオンは、渚カヲルのエントリープラグ(エインフェリア)を搭載していたし、ロンギヌスの槍を武器として所持していました。
 エヴァンゲリオンの世界では、「アース神族」は「敵側=反主人公側」として描かれているみたいですね。
 そして、量産型エヴァンゲリオン’sと奮闘したエヴァンゲリオン初号機は、ヴァン神族ということになります。
(弐号機? ラグナロクは「太陽と月が堕ちた世界」における戦いなので、太陽神である弐号機はカウント外です)

 エヴァンゲリオン初号機、正確にはヴァン神族というか、ヴァン神族と同系列の、他の神話の神様です。
 どなた様しょう?
 他の神話で、ヴァン神族と同系列ーーギリシャ神話のクロノス(巨人族)、そうでなければ、日本神話の国津神……
 そう。
 エヴァンゲリオンのラストバトルで、エヴァ初号機が演じている役は、国津神の長であるスサノオなんです。

 ゼーレは、自分達が「ラグナロク」を模していると信じて疑っていませんが、あの戦いの場面において、初号機は「スサノオ」を演じているのです。

 最終戦闘に投入された量産型エヴァンゲリオンの数は、9体です。
 これ、何の数字か解りますか?

ヤマタノオロチ
ドラゴンクエストシリーズ より やまたのおろち ドラゴンクエスト3で、ジパングイベントのボスとして登場した「やまたのおろち」。このやまたのおろちと対面した子供たちの多くが、口にした。「クビの数が足りない……」「やまたのおろちじゃない……」と。それでも、かなり強いし、自分の祖国(日本)で起こるイベントだし、印象には残る。

「ヤマタノオロチの首の数」です。

 量産型エヴァンゲリオンといういうのは、9体揃って「ヤマタノオロチ」なんです。
(量産型の頭って、蛇の頭みたいでしょ?)

 しかも、ゼーレはこれをまったく意図していませんでした。
 そのことは、「いささか数が足りぬが、やむをえまい」というセリフから伺い知れます。
 キリスト教で使徒の数と言えば、普通は12です。
 ゼーレは、「ラグナロク」にあたっても、12体の量産型エヴァンゲリオンを投入するのが「様式美」だと考えていたのでしょう(あるいは、ゲンドウからそういう風に説明されていたか)。

 しかし、どういう巡り合わせでか、9体という数字になってしまいました。
(ここでも、鈴原トウジをチルドレンから除外したのと同じ「神の力」が働いたのでしょう)

 そして、碇シンジは「神の子」となります。
 神(神の子)であるが故に、「最後の審判」がシンジの手に委ねられます。

 天国か、地獄かの選択。

 北欧神話では、ラグナロクの後、神々の僅かな生き残りが、残された世界で暮らします。
 日本神話では、ヤマタノオロチを退治したスサノオは「出雲の国」を興し、栄えさせます。

 どちらが天国で、どちらが地獄なのかは判りません。
 ですが、彼は後者を選択しました。

 これが、アニメ版エヴァンゲリオンの物語です。

オマケその1
ジオフロント
新世紀エヴァンゲリオン より ジオフロント図 ネルフ本部は、巨大な地下空間であり、その中でネルフ本部は、ちょっとした山のような(ピラミッド状)存在である。太陽も、月もない世界で、山がある。これは、スサノオが統べるはずだった「根の国」と全く同じである。つまり、ネルフの「ネ」は、根の国の「根」にも掛かっている、という解釈が成り立つ。ここから、エヴァンゲリオンの世界では、「言霊」の概念が強く意識されている、ということ。なお、根の国と地上とを結ぶ道は、「黄泉平坂」であり、入り口そのものは、「黄泉の国へ通じる道」と全く同じである。

 ネルフ本部(ジオフロント)がある第三新東京市は、芦ノ湖のすぐ脇に存在しているわけですが、ここから富士山までは、目と鼻と言ってしまっていい位置関係にあります。

GoogleMap-芦ノ湖ー富士山s
GoogleMapより 芦ノ湖と富士山。目と鼻の距離である。


 この設定は、スサノオが富士山の神様だってことを知っているなら出てき全く不思議じゃないんだけど、この人の場合、更に踏み込んで、地下空間に山(人工ピラミッド=ネルフ本部)とか作って、根の国を再現しちゃってるんですよね。
 単なる「想像」で、ここまでの事が出来るものなのかなぁ?
 
もしかして庵野秀明という方は、「神様」と関わりをもった事があるんじゃないのかなぁ?

 オマケその2

 その後、劇場版
『破』の中で「僕がどうなったっていい!! 世界がどうなったっていい!! だけど綾波は……せめて綾波だけは……絶対助ける!!」と叫ぶシーンがあります。

 そして、続編で、長い眠りから目覚めたシンジは、まさに、「僕(シンジ)がどうにかなっちゃって、世界もどうにかなっちゃって、(大量の)綾波だけが助かってしまう」という世界を目の当たりにします。
 これも、エヴァンゲリオンの世界には、「言霊」の概念がある、という仮説を裏付けるんですよね。

 つづく

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Posted bysusa

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