そして、《変態》という人種が生まれた――⑫

susa

そして、《変態》という人種が生まれた――⑫

マリーダ・クルスs
機動戦士ガンダムUC より マリーダ・クルス(プル・トゥエルブ) ネオジオンによって作られた強化人間(人為的に作られたニュータイプの模造品)。プルシリーズのシリアルナンバー12。第一次ネオ・ジオン抗争時、プルシリーズによって構成されたニュータイプ部隊は全滅したが、トゥエルブだけはの生還を果たした。しかし、敗軍であるネオジオンの、さらに内争にも敗れた側に所属していたトゥエルブは、軍の指揮系統に復帰することのないまま漂流。彼女は孤児となり、落ち延びたコロニー内で娼家に拾われ、幼いうちから娼婦として客を取らされることとなった。人間としての在り方を見失い、魂をなくしたも同然の状態であった彼女は、しかし、幸運にもスベロア‥ジンネマンという情と常識を持ったジオン軍の軍人に保護され、そこから第二の人生を歩み始める。この時、トゥエルブは「マリーダ」の名前を与えられるが、これはスベロア‥ジンネマンの亡き娘(マリー)の名前に「ダ」を加えたものだと思われる。画像は、戦死した直後に彼女を保護し育ててくれたスベロア・ジンネマンの元に、別れを告げるために現れたマリーダの霊体。生前の彼女は、至極普通の人間であった。(このシーンと、「お父さん、わがままを許してくれますか?」「許す」ってシーンは、何度泣いたか判らないぐらい、泣いた)

※蛇足 キリストの高弟子のことを、《12使徒》という。プル・トゥエルブの12という数字は、ここから来たのかもしれない。

 この記事は《そして、《変態》という人種が生まれた――⑪
》の続きです。

 キリストには、内縁の妻といえる女性がいたと言われています。
 その女性の名前は、マリア。
 キリストの母親と同じ名前を持つその女性は、元は娼婦でした。
 シャア‥アズナブルが唯一愛した女性、ララァ‥スンもまた、シャアと出会う前は娼家で働いていました。
 これは、シャア‥アズナブルという人物の設定に、イエス=キリストが深く関与していることの証です(断定形で言ってしまいます)。
 映画「逆襲のシャア」の中に、

「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ」

 というセリフが登場します。
 このセリフはあまりにも突飛がなさすぎて、長年に渡ってガンダム・ファンにとっての謎とされてきました。
「なんで、《母》なんだよ?」と。

 ですが。
「シャア=キリスト」
「ララァ=マリア(マグダラ)」
「シャアの母親=マリア(聖母)」

聖母・マリア(ラファエロ画)
幼いキリストを抱く聖母マリア (ラファエロ画) 処女受胎を信じる・信じないはともかく、処女受胎したマリアと対を成す存在として、娼婦マリアを登場させるキリスト教徒の話作りのセンスは、なかなかのものである。

 という関係が一度浮かび上がってしまうと、
「あぁ、そうか。そういう意味だったのか」と、納得できると思います。

 この他にもうひとつ、別の理由もあって。
 それは、
 シャア=赤い彗星=赤ちゃん
 
赤ちゃんにとって、世界に存在するのは自分とお母さんだけ。
 という、痛烈な皮肉も込められているのでしょうが……。
 こっちの解釈は、本当に、ただのシニカルなジョークでしょう。

 そして、機動戦士ガンダムUCにおいても、『元娼婦』が現れます。
 その女性の名前は、マリーダ・クルス

 マリアと、マリーダ。
 MARIAMARI-DA
 (※ローマ字)

 これを偶然だと思う人、のんきな人はいますか?
 明らかに、制作サイドは、意図的にやってますね。

 だって。
 主人公の名前、バナージ・リンクス(話し・リンクする)ですから。
(制作側が意図せずしてにこの結果なのたとしたら、これは「神様」が仕組んだってことで確定でいいです)
機動戦士ガンダムUC・バナージ・リンクス_s
機動戦士ガンダムUC より バナージ・リンクス 機動戦士ガンダムUCの主人公。名前の由来は、上記の通り「話しがリンクする」 幼少の頃、実父カーディアス・ビストによって、強化人間を生み出すのとほぼ同等の訓練を受けさせられ、それに耐えかねた母親と共に父の元を去る。その後、枢機な巡り合わせによってバナージは、父カーディアスと再開する。その次、再びカーディアスと再開した時、カーディアスは既に死の寸前で、この時、「オードリー(ミネバ・ラオ・ザビ)を助けたい」というバナージの意志を確認した後、カーディアスはバナージをUCガンダム専任のパイロット登録を行い、機体を授ける。

HGUC-ユニコーンガンダムs
1/144 HGUC RX-0 ユニコーンガンダム(改造) 次世代に人類の行く末を委ねるための【ラプラス・プロジェクト】の鍵である試作モビルスーツ。デストロイモードに変形することで、サイコフレームのリミッターが解除され、ほとんど無敵と言って良い状態になる。また、その際には機体のデザインが《変体》、もとい、《変形》する。そして、その圧倒的能なサイコパワーは、コロニーレーザーのビーム照射すら消滅させる。あまつさえ、殴る、蹴るといった、精密機械にあるまじき格闘攻撃さえもこなしてしまう。もはや、モビルスーツではなく《変体ロボット》、もとい、スーパーロボット。このモビルスーツのパイロットには、攻撃時、「〇〇パンチ」「〇〇キック」「〇〇ビーム」と絶叫することを義務付けるべきである。

スベロア‥ジンネマン_s
機動戦士ガンダムUC より スペロア・ジンネマン。 顔は怖いし、汚い仕事をやらせられてもいるが、中身は極めて常識人で、面倒見が良い。マリーダを発見、保護し、マリーダを亡き娘の生まれ変わりのように接してきた。そんなジンネマンのことを、マリーダはマスター(主)と呼んでいた。キリスト教で主(マスター)といえば、それは「神」のことである。
キリストは、死の直前に「父よ、あなたは何故、私をお見捨てになるのですか?」と神に問いかける。マリーダは、「あなたは私の光。 もう一度私を生んでくれた光でした。 ありがとう…お父さん」と伝える。機動戦士ガンダムUCの世界では、マリーダはマリア(マグダラ)、マリア(聖母)、キリストの三役を一人でこなしていることになる。随分とわがままだな。けど、「許す」


アルベルトs
機動戦士ガンダムUC より アルベルト‥ビスト
今回の記事は、まさかのこの人の画像で〆る。バナージ‥リンクスの母違いの実兄。彼は、登場時のイメージは最悪だが、マリーダへの恋に落ちてからは、急激に「可愛げ」が出てくる。見ていて痛々しいほどである。マリーダに自分の思いを伝えようとするも、洗脳によりマシーンと化したマリーダには届かない。UCガンダム2号機(バンシー)を出撃させる際、パイロットとしてリディー・マーセナスを起用するのも、マリーダの保護を依頼できると見込んだからであった。しかし、皮肉にも、そのリディーがマリーダの命を奪うことになる。画像は、そのマリーダの死を確認した際に、涙し、嗚咽しているシーン。彼は気がつくだろう。自分はマリーダに全く相手にされなかったが、それでも、間違いなく彼女は自分の心に救いの手を差し伸べてくれていたのだということを。計算高い、感情のないロボットのようだった彼は、皮肉にもマリーダという機械のような女性と出遇い、恋に落ち、更にその死に触れて、彼は人間らしい心を手に入れた。きっと、それがマリーダがアルベルトに与えてくれた救いの手。

つづく

スポンサーリンク

Posted bysusa

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply