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そして、《変態》という人種が生まれた――⑪

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そして、《変態》という人種が生まれた――⑪

キリスト(エリ・エリ・レマ・サパクタニ) 
十字架に貼り付けられたキリスト キリストは、ゴルゴダの丘の上で両手首を釘で十字架に固定され、放置するという方法で処刑された。この時、キリストは天に向かって「主よ、なぜ私をお見捨てになるのですか?」と問うたと言われている。ここで一度、キリストは命を落とし、三日後、再び蘇ったと伝えられている。

 この記事は《そして、《変態》という人種が生まれた――⑩》の続きです。

 ネオジオンの総帥に収まり、地球に対して隕石をぶつけたシャア‥ダイクン(シャア‥アズナブル)と、よく似た境遇を体験し、シャアと真逆の選択をした人物が存在します。

 イエス=キリストです。

 生まれた時から「神の子」と目されていたキリストは、幾年にも及ぶ修行を経てた後、「ユダヤ人の王」という称号(メシアとも言う)を手に入れ、軍勢を率いてローマ軍を討ち滅ぼし、ローマ帝国の植民地という地位に甘んじているユダヤ人を独立に導くという使命を負っていました。
 そして、そのための特別な教育を受けて成長しました。
 その総仕上げが、有名な「荒野における40日間の断食」です。この修行の後、キリストは不思議な力に目覚めました。
 しかし、帰還を果たしたキリストは、ユダヤ軍の先頭に立ってローマ帝国と戦うことを拒みました。
 それどころか、「戦いは良くないよ」と、真逆の主張をはじめました。
 そして、これが「責任放棄」とみなされ、キリストは十字架に架けられ、処刑されました。

 えっ?
 シャアと全然似ていない?

 まさか。瓜二つじゃないですか!!
 まるで、シャアとキリストの関係は、鏡に写したように、真反対。アベコベ関係にあるじゃないですか。

 不戦を唱えたキリストは、地球に対して隕石をぶつけてみせたシャアの逆バージョンです。
(正確には、シャアの真反対(アンチ・シャア・アズナブル)の存在としてキリストがあるのではなく、シャア・アズナブルというキャラクターがアンチ・キリストとして設定された、と推測できます)

 その辺りの解りやすい事例が、アムロとシャアが直接殴りあうシーンです。
 この時シャアは、
「ならば・・・ 今すぐ愚民ども全てに叡智を授けてみろ!!」という言葉をアムロに対して投げかけていますが。
 キリストはまさに、人類に対して叡智を授けようとした存在でした。
 ですが、この物語の中でのシャアは、アンチ‥キリストなので、叡智を授ける存在ではなく、「
叡智を授けてみせろ!!」と、要求をするのです。ジオン・ズム・ダイクンの息子であるにもかかわらず、肝心なところで他力本願に走るわけです。

取っ組み合うシャアとアムロ_s
逆襲のシャアより 取っ組み合うシャアとアムロ。 映画館でこのシーンを観た時、真っ先に私が思ったのは「なぜ、樹を使わないのだろう?」だった。
それで、この戦争は終わるじゃん? なんで? と思ったのです。 軍人のアムロが銃を持っていないわけがない。ということは、シャアを殺しちゃいけないのかな? ということは、なんか、この映画はものすごい「どんでん返し」でもあるのかな? アムロとシャアは、水面下でつながっているのかな? とか、邪推したのですが……

 また、キリストは「まもなく、神の裁きが下る。だから悔い改めよ」と語るわけですが、シャアはこれをねじって、
私 シャア・アズナブルが粛清しようというのだ!アムロ!!となってしまうわけです。

 このようなことから、私は「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」という作品におけるシャアの人物像には、逆転させたキリストのイメージが強烈に投影されているように考えるのですが……、誰一人として、そういう事を言っている人はいないんですよね。「シャア」「キリスト」という単語を並べてネットで検索しても、まるで引っかかりません。

黒馬とシャア_s
逆襲のシャアより その少し前のシーン。黒馬にのって現れたシャア。 キリスト教ヨハネ黙示録には、「裁きの時、キリストは白馬に乗って天使の軍勢を従え、天より現れる」という趣旨の事が書かれている。シャアはアンチ‥キリストなので、当然、白馬の反対の黒馬にのって現れることになる。ということは、この黒馬のシーンは、明らかに計算された演出としか思えない。そして、シャアが率いる軍勢とは、天使ではなく、モビルスーツ……

サイコフレーム
サイコフレーム チェーン‥アギ(アムロの恋人)は、ガンダムの戦闘能力を少しでも引き上げようとして、このパーツをアムロに届けようと出撃して死亡する。宇宙を漂うことになったこのサイコフレームに人類の祈りが集結して、物語の最後に奇跡が起こる。
これって、「頭の足りないキリスト教のシンボル《十字架》」でしょ?

テムレイの機械
機動戦士ガンダムより サイコフレームと同じような部品として、酸素欠乏症に陥ったアムロの父であり、かつてのガンダム開発の責任主任でもあるテム・レイが独自に開発していた【強化パーツ】が存在する。アムロはこれを一目見て、「古すぎて使い物にならない」と、父と別れた直後に投げ捨ててしまった。サイコフレームの演出は、このパーツのオマージュでもあるのだろう。チェーンにサイコフレームを見せられた時、アムロは父の事を思い出したりしなかったのだろうか?


 まぁ、この世の中は、こういう「奇妙なこと」が沢山存在しているんですよね。
 意図されたものなのか、偶然(超常的な力による誘導?)なのかは、解らないけれど。
(私のゆく先々、こんなのばっかりです)

 そして、シャアは結局、「何者にもなれないまま、歴史から姿を消してしまう」ことになります。


 更に言うと。
 冒頭のキリストの画像の解説のところでも触れたことですが。
 キリストは、死んだ後に、復活を果たすわけですが……、
シャアはシャアで、フルフロンタルという模造品として、キリスト同様、再びこの世に現れます。

 ねぇ。
 これって、制作サイドが意図的に仕組まれた演出なんでしょうかね?
 それとも、「神様」の悪戯?

補足:
ライディーンs
勇者ライディーン (スーパーロボット超合金) 逆襲のシャアの監督を務めた富野由悠季監督は、勇者ライディーンというアニメで監督を務めた際に、「オカルト」に走り過ぎた結果、PTAから苦情が殺到し、スポンサーに怒られ、監督を降板させられた苦い過去を持っている。だから、キリストを模した設定・演出が意図的なものだとしても、「秘匿する」と決めた可能性は高いと思う。

(今回は、あんまり《変体》って言葉、使わなかったな……)

 つづく

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Posted bysusa

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