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(政治・経済)プライマリーバランスの健全化という罠

susa

(政治・経済)プライマリーバランスの健全化という罠
天秤-s

 唐突ではありますが、「経済」の話しです。

 日本は、「財政収支の黒字化」を目標に掲げています。
 政治家の殆どが、この件に関しては肯定的ですし、一般国民も「財政収支の健全化」には賛成しています。

「だから、国の財政支出を減らすことと、増税は正しい」
 という《お決まりの結論》は、ここから導き出されているわけです。


 ところで。
 国家を株式会社だと仮定してみて下さい。
 赤字国債は、「発行された株券」です。

 ある企業が、発行している株券を全て回収する為に株の買い取りを始めると、どんなことが起こるでしょう?

 いままで新商品の開発に回していた予算、社員の給与やボーナスに回っていたお金が、削られてゆくのです。
 企業であれば、「大ヒット商品」といった、ホームラン級の事件があって、儲かりすぎてそのぐらいの事は余裕でカバー出来る、という事もあるでしょうが、国際社会ではそんな「一人勝ち状態」は、余程の事が無い限りは起こりません。

 そして、新商品の開発や従業員の給与の削減を行うと、企業は活力を失い、「他社」に業績で追いつかれ、あるいは引き離されてゆきます。


 つまり。
 プライマリーバランスの黒字化、あるいは健全化というのは、地球上に日本という国家が単独で存在していたり、あるいは日本がほぼ完全な鎖国状態にある場合は致命的問題が生じにくいのですが、現在のように国際社会の一員として様々な場面で他国と連携している場合、どんどん国際的立場が悪化してゆく要因となるのです。

 逆を言えば、「日本の国際的な立場」あるいは「日本の国際競争力」を削ぎ落としたい場合、「プライマリーバランスの健全化をしなければ国が保ちませんよ」という方向に、世論を誘導してやればよい、ということになります。

 これは、生物進化を説明する時にしばしば用いられる、「赤の女王仮説」と呼ばれる考えと、基本的に同じです。
 生物は、互いに競争関係にあるので、多少の無駄があろうとも、競争相手に負けない努力をしなければ成りません。それが、国家の場合は「(適切な分野への)政府の支出」になります。
 インフラの整備や、科学技術開発。あるいは、新産業の開発といった分野での国家プロジェクトになります。
 現在、日本の経済成長率は世界最低です。
 なぜ、世界最低に成り下がってしまったのでしょうか?
 それは、「プライマリーバランスの健全化」という美しい言葉の為に、「国家間の競争が繰り広げられている」という根本的なことをすっかり忘れて、政府に対して節約ばかりを求めてきたからです。
 もしかしたら、その結果として「福祉予算の削減」があるかもしれません。
 けれど、それは「バランス」を考えた場合、仕方がないのです。
 野生生物だって、得られたエネルギーの全てを、ただ純粋な生命活動のみに集中出来ればそれが一番理想的です。しかし、現実には敵に襲われないように毒を作ったり、棘を作ったり、皮膚を頑丈にしたりするわけです。

 ところが、日本はまるで、この世界に競争相手はいないかのように、ひたすら「自国内の数字併せ」に傾倒してしまいました。
 その結果、日本は産業分野で他国に追いつかれ、追い抜かれ、どんどん競争力を失って行きました。
 外国に次々と追い抜かれて行けば、経済成長が鈍化するのも、雇用が消失して行くのも、当然です。

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Posted bysusa

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