そして、《変態》という人種が生まれた――⑦

susa

そして、《変態》という人種が生まれた――⑦

アムロとザク_s
「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」より  サイド7を襲撃したザクと、それを睨みつけるアムロ・レイ

 
この記事は《そして、《変態》という人種が生まれた――⑥》の続きです。

 話の流れからいって、当然のように、機動戦士ガンダムの続きです。

 シャア・アズナブル。
 ララァ・スン。
 と名前が上がって、この人の名前が上がってこない、ワケがありません。
 はい。
 今回は《アムロ・レイ》という変態について語ってみたいと思います。

 状況から考えて、アムロ・レイという少年がいなければ、V作戦の全容はほぼ確実にジオン公国の手に、根こそぎ奪われていました。サイド7内部を強行偵察中のザクの攻撃によって、停泊中であった地球連邦軍の強襲揚陸艇ホワイトベースは出航前にエンジンを破壊されてサイド7の中で武装解除させられていたか、仮に奇跡手にホワイトベースがガンダムの積み込みとサイド7からの脱出に成功していたとしても、ルナ・ツーにたどり着く前に追撃するムサイとザクによって戦闘不能に追い込まれ、結局は鹵獲されたことでしょう。
 搭乗者が軍人のみであったなら機密を守るために自沈するという手もあったでしょうが、ホワイトベースは大量の避難民を乗せていました。したがって「自沈」という選択肢はあり得ません。

 ルナチタニウム(ガンダリウム合金)装甲、ビームライフル、ビームサーベル、学習型コンピューター、等の技術、そしてそれらの集大成であるRX−78というシステムそのものが、残らずジオン軍の手に落ちるのです。

MGガンダムVer3_0s
RX-78-02 ガンダム 
全長高18.0m。全装重量60t。(写真は1/100 MGガンダムVer3.0)  胸の排気口(黄色いの)は、今では解釈が2通りあるけど、私はこっちのアニメ風のデザインの方が好き。
 RX-78、通称ガンダムはアムロ・レイの搭乗した地球連邦軍の試作MS。実質的には、このガンダムこそが地球連邦軍のV作戦そのものと言える。ビームライフル、ビームサーベルと当時のジオン軍がMS用に未だ実用化出来ていなかった次世代の高性能兵器と、圧倒的に強度に秀でるルナチタニウム性の装甲を採用したことで、同時代の兵器群の中で、抜きん出て高性能
、というか、《変態》チックな兵器となった。。これにアムロ・レイの超人的な操縦センスが重なり、伝説的な撃墜スコアを記録した。なお、ガンダムのコクピット部=胴体部分にはコア・ファイターという変形式の小型戦闘機を内蔵されていて、いざという場合には戦線を離脱することが可能という、極めて《人道的変態》仕様になっている。おまけに、股間部には大気圏突入用の特殊な超薄型フィルムまで装備している。これはもう、誰がどう考えても、明らかに「おまわりさん、こいつです!」レベルの《超変態》

 V作戦を追ってシャア・アズナブルが地球に降下することはなく、したがって、ザビ家の末子ガルマ・ザビがガウによる特攻の果てに命を落とすということもなく、ジオン公国軍の内部が不要な動揺に揺れることもなく、ジオン公国は戦闘のペースを乱すことなくビーム兵器の実用化を史実よりも前倒しで完成させ、逆に地球連邦側のモビルスーツ開発・及び量産計画は大幅に遅延したはずです。
(手の内が全部バレたのに、なんの対策のないままガンダムの量産型を作っても、効果は限定されるので)
 地球連邦軍の拠点を攻略する目的で開発中だったMAビグ
ザムは、当初の予定通りジャブロー攻略の目的で戦線に投入されるか、あるいはオデッサ周辺の防御の要として地球に配置された可能性が高く、仮にもしこの超兵器を用いてジャブロー攻略作戦が実行されていた場合、ビグ・ザムは当初の仕様の通り、10時間以上の連続稼働を行い、その間、大・小メガ粒子砲の照射を許す限り繰り返し、まだMSの数が揃わないジャブロー・連邦軍本部に対して壊滅的打撃を与えたでしょう。(地球上での運用を前提に開発されたビグ・ザムの冷却システムは空冷を前提としたものを、急遽宇宙用に作り変えた簡易式のものであるため、宇宙においては冷却能力に著しく難があり、稼働時間が40分間ほどしか確保されていなかった)
 本来の性能をフルに発揮できた場合、ビグ・ザムは10時間前後に渡って、大・小メガ粒子砲の照射を
許す限り繰り返し、まだMSの数が揃わないジャブロー・連邦軍本部に対して壊滅的打撃を与えたでしょう。
(仮に大型メガ粒子砲を10分に1度の割合で照射出来るものと仮定すると、10時間で60回の発射が、5分に1度なら120発、150秒に一度なら240発もの照射が可能です。そして、ビグザムの主砲の出力は
13.9MW。これは、ZZガンダムのハイメガ粒子砲の50MWの約1/3の出力ですが、ZZのような1発射ったら終わり、という欠陥品ではないので、兵器としては数百倍、ビグザムの方が価値があります。かなり乱暴ですが、単純な破壊力に関する限り、ビグザムというモビルアーマーは、控えめに見積もっても1機でおよそZZガンダム20〜40機分に相当する事になります。
 ちなみにこれは、コロニーレーザー換算ではそ4〜8回の照射に相当するエネルギーです。
 ジオンはこのビグ・ザム数機によるジャブロー強襲を計画していましたが、仮にビグ・ザム1機とこれを支援する航空戦力、及びモビルスーツという組み合わせであっても、連邦軍の秘密拠点ジャブローは十分に攻略可能であったと思われます。

ビグザム(1/400ガンダムコレクション)s
ビグ・ザム (1/400 ガンダムコレクション) 全高59.6m。全重量1960t。
高さ的には、日本国内の20階建てのビル、
あるいは、打ち上げブースター込みのスペースシャトル一式とだいたい同じ。
兵器というより、もはや「怪獣」に近い存在。というか、《変態》。なお、初代ゴジラは身長50m。
いつか映画化してもらいたいものです。
 
特撮映画「ゴジラVSビグ・ザム」を!!(案外、いい勝負になるんじゃないかと思う)
 ただし、ビグザムは転倒したら、コクピットの乗員は多分死亡する。(20階建てのビルから飛び降りたのと同等の衝撃を受けるので)。そういう意味では、超欠陥兵器。つまり、ビグ・ザム対策としては落とし穴が極めて有効。
 それと、全高60mもあるものを仮に地球に配備したとして、ジオンの技術者はこれをどうやって整備するつもりだったのだろう?

 また、仮にビグ・ザムをオデッサ基地や北米大陸といったジオン軍の要衝防衛の為に配置したとするならば、地球連邦側がそれらの拠点を奪還することはほぼ不可能となり、地球連邦軍は数年間は戦争の主導権をジオンから奪取することが出来なくなるでしょう。
 そして、人間は食料を食べなければ生きてゆくことが出来ないため、広大な穀倉地帯をジオン軍によって占拠された状態の地球連邦政府は、2〜3年以内に「食料の確保」の一点において生存不可能という絶望的な状況に追い込まれます。
 すなわち、兵糧攻めです。
 地球市民達は地球の至るところで食料を求めて暴動を発生させたでしょう。
 また、各方面軍においても、全く同じく食糧不足を理由に戦闘の継続が不可能となり、ジオン軍に対して降伏する部隊が続出することになるでしょう。
 これに対し、宇宙に本拠地を持つジオン公国側には、この食料問題は発生しません。
 最悪でも、宇宙で作った食料が調達できるからです。
 しかし、連邦政府側は、このような措置が取れません。
 このような状況下で地球連邦政府の政治家達に出来ることは「降伏」の二文字を受け入れることだけで、ジャブロー地球連邦軍本部は、地球連邦政府に対してクーデターを行うか、もしくは、政治家の指示に従い、ジオン軍に対して全面降伏を受け入れるかの、何れかという事になるでしょう。
(ジオン側には、若干の時間はかかるものの、確実に勝利できる手段が存在していたということです)

 また、モビルスーツ開発の遅延は、地球連邦軍が宇宙に大艦隊を展開する道筋が絶たる事を意味します。モビルスーツなしで戦って大敗北を喫した過ちを、再び繰り返すわけにはゆかないからです。そして、その間にジオン公国の主力モビルスーツは、間違いなくザクからゲルググ、あるいはゲルググより更に上位の機体への移行をほぼ完了させるでしょ。
 ジオン公国側の布陣は、地上だけでなく、宇宙でも盤石なものとなり、切り崩す隙がなくなります。
 当然のように、ザビ家の三男ドズル・ザビ中将が壮絶なる討ち死にをする理由も消えます。(そして、史実においてはアムロ少年は、ガルマ・ザビ、ドズル・ザビの両名の死と直接関わっています。なんという因縁でしょうか?)

 もしも、ガルマ、ドズルの両名が存命であれば、デギン公王が危機感を抱いて連邦との和平工作を急ぐこともなく、また、キシリア、ギレンの両名が「真の支配者」の座をめぐって諍いを起こすこともなかったはずです。
 ザビ家内部で対立が激化することはなく、戦争終結後には、長期に渡ってザビ家による人類統治時代が始まった可能性が極めて濃厚、と考えられます。

 アムロ‥レイという少年は、上記したコレを、殆どたった一人の力でひっくり返しちゃったんですね。

 化物っていうか……
 変態っていうか……

 アムロ・レイという人間にふさわしい称号は、もしかしたら、「祟り」なのかなぁ……
 ザビ家に対する。
 殺された「50億人分の祟り」

 このアニメは、人類の半分(50億人)がザビ家の為に命を落とした世界のお話なので。
 アムロ・レイという一個人がどうこうというよりも、これはもう、50億人分の怨念、みたいなもんがアムロ・レイという人間の上に、乗っかっちゃった。
 みたいな感じ。

 霊(レイ)だけに。






 ははははは。
 今回はオフザケいっぱい入れました。
(それ以前に、今回の話の主役はアムロじゃなくてビグ・ザムだったし)

 ということで、次はアムロ・レイについて、もう少し真面目(?)に語るつもりです。

 つづく。

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Posted bysusa

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