ピテカントロプスの神様(心の中に住み着いた誰か)――②

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ピテカントロプスの神様(心の中に住み着いた誰か)――②

マイカ(砂)+シルエット_B

この記事は《
ピテカントロプスの神様(心の中に住み着いた誰か)――① 》の続きです。

 300万~250万年前にかけて、人類の祖先の脳の大きさは、倍増という極端な膨張が起こりました。
 私はこれを、「体毛が失われ、体温が低下した事を緩和する為の《熱収支のバランスを維持する為の措置》だった」と説明しました。
 哺乳動物は恒温動物なので、体温が一定以下になると生きてゆけません。
 人類の祖先は、発汗によって体温を低下させる能力は飛躍的に高まりましたが、それだけでは「低温状態」には対応しきれないのです。

 脳は、人体の中で筋肉に次いで消費カロリーが多い(発熱が大きい)器官です。
 そして、今回必要なのは「筋肉を休めている時の補助的な熱源」ですので、筋肉そのものを採用するわけにはゆきませんので、脳が熱源として活用されたのです。
 ですが、理由が何であれ、脳が大きくなったことで、中枢神経細胞の数が飛躍的に増加したことは間違いがありません。

 そして、この増えた神経細胞は、とりあえず、やるべき仕事がありません。

 脳細胞に処理して欲しい仕事が沢山あったから、その仕事をさせる為に脳が大きくなった、というのではなく、暖かくする為には脳細胞が沢山必要だから、仕事なんて無いけど、とりあえず増えるようにした、というのが実情だからです。

 もともと、必要とされていたものは脳が放出する「熱」であり、つまり、脳細胞はただそこにいてくれさえすればそれで良く、そこでニューロンネットワークがどんな処理を行うかに関しては、とりあえず不問とされていたのです。
(つまり、《遊んでいるだけでお給料が貰える状態》です。羨ましいですね)

よつばと、「全部回すしごと」_8巻_s
「よつばと!」8巻より

 この時の脳容積の増加分が、人類の精神に何をもたらしたかというと――無意識の拡大だと思われます。

 知能の向上とか、精神力アップとか言う、直接的な事ではなく、あくまでも、「無意識の増大」です。
 私たち自身が直接窺い知ることの出来ないブラックボックスが拡大したのです。
 言い換えると、自分自身の中に、自分でよく判らない領域が、増加したのです。

 このように、考えてみてください。

 人口1000人の町がありました。
 Aさんは、その中で200人と知り合いでした。

 ところが、この町の人口が急激に増えて、5年で人口が倍の2000人になりました。

 この時、Aさんの知り合いは、倍の400人になるのでしょうか?

 普通、そんな事はあり得ません。Aさんの知り合いは、増えたとしても、せいぜい1割とか2割とかです。
 増加分の大半は、「知らない人」です。
 最初、800人だった「知らない人」が、5年で800+(1000-(200×0.2))=1760人に増えたのです。

 ね?
 AさんとAさんの知り合いが「意識」だとすると、「意識はあまり増えていない」ですし、「無意識は大幅に増えた」でしょ?

 そして、その後に起こる人類の心の激変を生じさせた本当の立役者とは、この「無意識」だったと考えられます。

 そして、冒頭に述べた統合失調症の典型的な症例である、「気をつけろ。あいつがお前を殺そうとして居るぞ」という声の事例は、まさにこの「無意識」の働きかけによるものだと考えます。

 Aさんはその相手を知らなくても、その相手はAさんを知っている。
 Aさんが気がつかなくても、Aさんが知らないその誰かさんが、Aさんを助けてくれる。

 私たちの精神の中で、それに類する状態が生じたわけです。

 え?
 なんで、周りの人達がAさんの事を知っているのかって?

 そりゃ。
「有名だから」に決まっているじゃないですか?

 だって、この例え話は、私たちの頭の中の話しですよ。

 私たちは、考え事をする時に、頭の中で声を出すでしょ?
(図形の様な、言語以外の思考方法もあります)

 頭の中で声に出して考えている事は、「無意識」には、全部、筒抜けだと思って下さい。
 悪いこと考えるでしょ?
 全部、筒抜けだと思って下さい。
 エッチな妄想するでしょ?
 勿論、筒抜けだと思って下さい。

 だって、大声で、叫んでいるんですから。


よつばと!「ハンバーグにした!!」s
「よつばと!」 4巻より

 こんな感じ。

 つづく

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Posted bysusa

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