ピテカントロプスの神様(心の中に住み着いた誰か)――①

susa

ピテカントロプスの神様(心の中に住み着いた誰か)――①

※不手際から、タイトルが「ネアンデルタール人」となっておりましたが、正しくは「ピテカントロプス」です。

アメジストクラスタ+女性のシルエット_s


この記事は《そして、《美男》、《美女》という存在が生まれた――《番外編》》の実質的な続きです。

よつばと「はっけんされる」s
よつばと! 13巻より

 統合失調症の典型的な症状とも言える、
「気をつけろ。あいつがお前を殺そうとして居るぞ」という声は、いったい、何の為に発せられているのでしょう?
 

あのいえは、前を通ると発見される_s
同じく、よつばと! 13巻より

 ただのニューロンネットワークの混線や故障、というのであれば、もっとメッセージに幅があっても良いはずです。「アンパン食べたい」でも「あそこにお金が落ちてるよ」でも、良いはずです。なのに、この種の「あいつがお前を殺そうとしている」的なモノが、やたらと高頻度に現れていると感じられます。

 私の考えですが、これは元々は、人類の祖先がどう猛な肉食動物に怯えて暮らしていた頃に現れた警戒信号の名残です。

 遠くの物陰にいる「ライオンと思しき影」が、微かに視野に入ったとします。
 でも、当人は食べ物を捜すことに夢中だったりすると、そちらに意識が向きません。
 つまり、ライオンの存在に気がつきません。

 しかし、「視野」に入った視覚情報は、脳の中でバラバラに分解され、解析され、情報としては間違いなく、脳の中に届いています。
 つまり、「意識」はそのライオンに注意が向かないかもしれませんが、無意識は、ちゃんと認識するのです。

 だとすると、生存率を高めるためにベストな事は、無意識の中に「危険な存在リスト」に登録された対象が視覚情報の中に確認されたら、それをすぐさま、「意識」に対して報告してあげることです。
 そうです。
「気をつけろ。あいつがお前を殺そうとして居るぞ」という声は、
こういう時に頭の中に響いて、危険を知らせていたのだと考えます。
(人類の言語が高度で無かった時代は、「敵だ!!」とか「喰われる!!」みたいな、極めて単純な「声」だったのでしょう)
 そして、この声は私たちの遠い祖先の命を実際に救っていたはずです。
 つまり、発生メカニズムが何であれ、その実体は、紛う事なき「正真正銘の人の命を助ける神様」だったことになります。

 ところが、現代社会は人間が異常に強くなりすぎて、人間の暮らす周辺からは、人間を食べる野生動物が駆逐されました。
 もはや、動物の中に、人間に対する脅威は事実上存在しません。

 その代わり、他でもない「人間」が、私たちの脅威となりました。

よつばと「敵か味方か? やっつけろ!!」
よつばと! より

 そして、同族であるはずの、「人間」からストレスを感じ続けていると、やがて、「気をつけろ。あいつがお前を殺そうとして居るぞ」の警戒信号が発動するようになるのです。

 進みすぎた「現代社会の状況」「人口密度の過剰なる増加」に対応しきれていない結果だと思われます。

 人間よりはるかにおっかない肉食獣があたりを跋扈していた時代なら「敵だ!! みんな逃げろ!!」とやったあと、皆で無事を確認し合いながら、「神様、何時も私を見守っていてくれて、ありがとう」で片付いていたのです。
 ところが、現代社会では、同じ人間に対して「あいつが俺を殺そうとしている!!」とか叫んで逃げ出したり、あるいは防衛措置(と本人は解釈する)として攻撃を仕掛けると、たちまち、大騒ぎ(警察か病院へかつぎ込まれる事態)になって、「なんだこの異常者は」という事になってしまいます。
 そして、「どうしてこんな声が聞こえてくるようになったんだろう? 俺が、なにか悪いことでもしたっていうのか?」
 と悲嘆にくれるのです。

 ですが、かつては、声を聴いた当人も、一緒にいた仲間達も、この「謎の声」によって幾度となく、命を救われてきたはずなのです。

 ピテカントロプス達にとって、それは紛れもなく、「正真正銘の神様」だったのだと思います。


 つづく

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Posted bysusa

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