小説「ハイパーマン」

susa

 突然だけど、突発的に書いてしまったので貼ります。

 ショートショートです。

ピーマンs
※イラストと本文に、関連は一切ありません。

小説「ハイパーマン」



 彼の名は、ハイパーマン。

 人知れず、地球を侵略しにやって来た宇宙人と戦い続けてきた、正義の戦士。

 その半生は、とても過酷なものだった。
 幾度となく裏切られたし、大病も患った事もあった。
 半生は苦しみに充ち満ちていて、希望の光は何処にもなかった。
 そんな地獄の様な半生の果てに、彼は覚醒し、力に目覚めた。

 そして、平和を守る戦士となった。
 だが、彼はその後も覚醒を続けて、とうとう、とんでもない事に気がついてしまった。


 この世界に、「正義」なんてものも「悪」なんてものもない。


 もともと、この世界は生物の為に作られたモノでもなければ、人間の為に作られたモノではない。
 私たちの暮らす世界を支配するのは、正義でも悪でもなく、ただの、物理の法則に過ぎない。
 物理の法則が支配している世界の上で、コレは「正義」とかアレは「悪」とか、人間が勝手に色分けをしているだけに過ぎない。
 そして、正義とか悪とかいうものは、そこに「法則として適用させるだけの裏付け」つまり、強制力が存在して、初めて実現される概念なのだ。

 その上で、現代社会において圧倒的な支配力を発揮しているものは、正義でも悪でもなく、「マネー」である。

「経済」の為ならば、不平等や差別が平然と容認されてしまうのが、この世界の偽らざる実体だ。
 不平等や差別は「悪」だったはずなのに、マネーはこれを「正義」に変えてしまうのだ。

 このことに、不快を感じている人間が居ないわけではない。
 しかし、大半の人々は、この状況を容認してしまっている。
 そして、差別や不平等に苦しんでいる人に対して、「弱肉強食」「負け犬の遠吠え」等といって、蔑むことで、心の安定を図っている。

 この世界を支配しているものとは、所詮、その程度のものなのだ。

 ハイパーマンは、愕然とした。

 戦うことが、急に虚しく感じられてしまった。
 それで、ハイパーマンは、新たに地球を侵略しに来た宇宙人に対して、コレまでとは違うアプローチを試みることとした。

 そして、月日は流れて……


 宇宙人は、地球制圧作戦を実行に移した。

 ただ、その方法は、少々奇妙なものだった。
 宇宙人達は、それぞれの国の言葉で、このように叫んでいた。
「あなた方の土地は、買い取らせて頂きます。壊したモノに関しては、相応の金銭的賠償を支払います。死傷者に関しては、賠償金を支払い、心からの謝罪も行います。ですから、速やかに我々に制圧されて下さい。私たちは、侵略者ではありますが、無法者ではありません。きちんと、お金で解決いたします。ですから無駄な抵抗は辞めて下さい……」


 そのころ、かつてハイパーマンだった男は、「ところで、人類は幾らぐらい貰えば納得するのだろうか?」と表計算ソフトで見積もりをしていた。
 もちろん、宇宙人達にアドバイスしたのは、ハイパーマンである。
「地球人とのトラブルは、基本的に全て、お金で解決出来ますよ」
 と。
 宇宙人達は、その持てる科学力を結集して、尋常ではないお金を、合法的に稼ぎ上げた。
 本当は、武力制圧など必要無いくらい、宇宙人は圧倒的な資金を掻き集めていた。

 それでも、あえて宇宙人達が武力侵略の形をとったのは、彼等なりの美学であった。

 ハイパーマンは、感じていた。
「地球人の理屈だと、コレで正しいんだよなぁ。でも、なんか、変なの……」と。
 宇宙人たちも、やはり同じ事を感じていた。
地球人の理屈だと、コレで正しいんだよなぁ。でも、なんか、変なの……」と。

 そして、地球人達は、「侵略者から、地球を守れ!!」「これは、正義の戦いだ!!」と、各地で自分たちに都合のいい正義をひたすら叫び続けていた。








※FC2に「小説」のサービスが有るのを見つけて、それ用に書いて見ました。
(そちらにも、これと全く同じ小説を貼りました
https://novel.fc2.com/novel.php?mode=tc&nid=209389
↑がそのアドレスです。
感想とか意見とかが有る方は、そちらの方におねがいします)

※駄文ではありますが、転載等は禁止とさせて頂きます。

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Posted bysusa

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