人間は、どうして一夫一妻制を選択したのか?ーー㊦

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人間は、どうして一夫一妻制を選択したのか?ーー㊦
子供パジャマ

 この記事は《人間は、どうして一夫一妻制を選択したのか?ーー㊤》の続きです。

【添い寝】という、少し不思議な風習が、人類のスタンダードとして定着した理由は、「安眠」によって体力を回復出来た一族と、「安眠出来ず」に体力が衰えてしまった一族とが何かで競い合うような際、あらゆる場面で、両者の間に圧倒的な差が生じた結果だと考えられます。

(良質の睡眠がとれていないと、実力の半分も発揮することができませんので)

 つまり、誰かと一緒に寝た方が、体温の低下が回避出来て、ぐっすりと眠れて、しかも、身体が冷えていない為、怪我をしにくいなどの明らかな利点があったのです。

 逆に、一人で寒さに凍えながら眠っていた場合、ちょっとしたことで腰を痛めたり、足を挫いたりしてしてしまったことでしょう。
 そして、足や腰を痛めたりする、という状況は、当時では、死亡宣告にも等しい様な深刻な事態であったと考えられます。

 つまり、人間の「性」が「一夫一妻制」に移行することになった影には、「安眠」という不純とは真反対の、極めて切実な動機があったのです。

 人間がセックスの後に眠くなるのは、性の由来が「眠り」で有ったことを、如実に示す証拠と言えるでしょう。

 そして、一緒に眠る相手、というのは、不快な相手では耐えられません。
 嫌な相手と一緒では、身体が休まるどころか、逆にすり減ってしまいます。

 そこで、ありあまった容量の使い道を捜していた私たちの祖先の脳は、ここで「快楽中枢」を飛躍的に発達させたのです。
 そして、特定の相手を見たり、考えたり、振れたりした時、体中が幸福感に満たされる仕組みを、徹底的に強化しました。
 所謂、「恋愛感情」です。
(別に、恋愛感情そのものは、他の動物にもあります。ただ、人間の快楽中枢はものすごく巨大です)

 そして、身体がある程度成熟した段階(二次成長)時に、どうしようもなく、誰かのことが気になる様な仕組みにしたのです。
 そうすることで、「その相手となら、どれだけ一緒に眠っていても苦にならない。相手の身体が冷え切っていたら、それを暖めてあげることに、苦痛を感じるどころか、むしろ喜びを覚えてしまう」
 そんな状態になったのです。

「添い寝」が性と本格的に結びつくようになったのは、おそらく、これ以降です。
 そして、「性」と結びついた「添い寝」は、人間の男女のあり方そのものを塗り替えてしまいました。寝具をコロコロと変えると落ち着けず、よく眠れないのと同じように、添い寝の相手を固定化したのです。
 つまり、一夫一妻制の確立です。

 常識敵に考えると、私たちは、「最初に夫婦の関係が変わった」「その結果として家族のあり方が変わった」「そしてライフスタイルも変化していった」と考えがちですが、真逆なのです。

 最初にライフスタイルの変化があり、家族のあり方が変化し、最後に、夫婦関係の有るべき姿が変わったのです。
「一人で眠っていたら、寒くて身体の疲れが全然取れない。すぐに怪我をしたり、すぐに風邪を引いてしまったり、ろくな事が無い」
 という状況を、
「なら、誰かと一緒に眠ればいいよね」
 という形で克服したのです。

 そして、「どうせ一緒に眠るなら、嫌いな相手よりも、好きな相手の方が万倍素敵だよね」という事になって……

 ここで、「性」と結びつき、なし崩し的に、これが人類の男女の結びつきの業界基準となり、これが「家族観」そのものも変化させてしまったのです。

 パジャマとか、布団とかベッドとか、毛皮のコートとか、快適な住まいとかがなかった時代に、なんとか「快適な眠り」を得たいと願った祖先達が行った、創意工夫が、後世の私たちの文化や肉体そのものに、とてつもない影響を与えたのです。

 一番最初に求められていたのは、寝袋&抱きまくら、としての役割だったのです。

 現在でも、ちいさな子供が、これと全く同じものを要求します。

「あのぬいぐるみがないと眠れない」

 というやつです。

 おそらくは、これが人類を「一夫一妻制に移行させた原点」です。
 あの人が居ないと、眠れない。
 そういう状況がそこにあったから、私たち人間は、「夫婦」という単位をつくるようになったのです。
 そして、そのような状況があった時代というのが、今からおよそ300万年前から250万年前にかけてのことだったのです。

 なお、現代社会において、「一夫多妻制こそが正しい姿だ」とか、やたら熱心に主張している方をネット上で時々見掛けます。
 その方々はきっと、ゴリラかオラウータンから進化してきたものと推測します。

 おわり。

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Posted bysusa

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