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人の脳は、どうして大きくなったのか?――その⑤(最終回)

susa

人の脳は、どうして大きくなったのか?――その⑤(最終回)

 この記事は《人の脳は、どうして大きくなったのか?――その4》の続きです。

 だらだらと、長くなってしまったので、今回でまとめることにします。
 最初と今とで、主張が違っているところもあると思います。
(書いているうちに、ひらめいちゃって、別の方向に進んじゃったりするので。ってか、髪の毛の事とか、完全に「事故」です)


 700万年ほど昔、アフリカで、後のチンパンジーになる集団に森の覇権を巡る縄張り争いで破れた人類の祖先は、食べ物の少ない森の外側に追いやられてしまいました。
 当時のアフリカは、全域が森でした。
 ので、森の中から追い出された、というよりも、樹が育ちにくい、ジメジメした湿地帯とかに追いやられてしまった、とかかもしれません。

 それで、人類の祖先は、チンパンジーの縄張りに忍び込んで、食べ物を盗んでくるように生りました。

 捕まれば殺されて食べられてしまう、命がけの行為です。

 この時、人類がとった戦法が、「地面を走ること」。

 走ると言っても、要は「チンパンジーに追いつかれなければ良い」わけです。
 チンパンジーは樹の枝から枝へ飛び移るのは得意ですが、地上を走るのは得意ではありません。
 だから、樹があまり密集していない、枝渡りが難しい地形を選んで、走るわけです。

 そうはいっても、待ち伏せされていることもあるでしょう。
 それに、待ち構える側のチンパンジーは数が多いです。
 だから、やっぱり命がけです。

 でも、そのおかげで人類はそこそこ、走るのが上手くなりました。

 そんなこんなで、約四百万年間、人類の祖先は、「地面の上を走り回る猿」をやっていました。


700万年前

 ところが、300万年前頃から、地球は寒冷化して、多くの大陸の上に氷河が発達するようになりました。
 また、アフリカ大陸においては、大地溝帯という造山運動が生じて、海からの湿った風が、その山で雨を降らしてしまい、大陸内部にふく風は、水分を失ってしまいました。

 この結果、熱帯雨林は維持できずに、どんどん草原化してしまったのです。
 チンパンジーより弱い立場の人類の祖先は、当然、真っ先に住む場所を失いました。


300万年前

 この時、なんとか森にしがみついたのがパラントロプスという、人類の祖先とは違う道を歩んだ種族。
 300万年前の勝ち組。

 だけど、結果的には、人類の祖先は生き残り、パラントロプスは滅んでしまった。

 人類の祖先が生き残れたのは、点在する、小さなオアシスのようなところを歩いて行き来したから。
 一つ一つは、食べ物が少なかったり、樹が実をつける期間が限られていたりで、定住することは出来なかった。
 だから、その代わりに人類の祖先は長距離を歩くことになった。
 また、移動の途中で肉食動物に襲われることもあったので、そういう時には、とにかく走って逃げることになった。

 日差しが強い場所で、長距離を、毛皮をかぶって歩く、なんてのは、相当にしんどい。
 肉食動物に追いかけられて喘息疾走、なんて、死ぬほど苦しい。

 だけど、歩けなくなっても、走れなくても、結局は死んでしまう。
 ので。
 人類(の身体)は、この状況に対して、体毛を減らす&全身に汗腺を発達させて、汗によって体温を下げる、という事で、暑さ対策を行い、少しでも負担を軽減した。

 人類の身体から、体毛の急激な減少が始まった。


 けれど、保温のための体毛がなくなると、今度は別の問題が出てくる。
 睡眠をとろうとしても、寒くてなかなか眠れない。
 眠っても、身体がちっとも休まらない。
 全力疾走したあとに、どんどん体温が冷えて、冷えすぎて、場合によってはそのまま死んでしまう。

 今度は、低温対策が必要になった。
 そのために、「脳」が選ばれた。

 脳細胞はエネルギー消費量の多い組織だ。
 だから、放出する熱量も大きい。また、24時間、常に活動し続ける。
 この脳を大きくすれば、低温問題を解決することが出来る。

 という事で、体毛の減少、汗腺の発達と、同時進行的に、脳の膨張が始まった。

 と。
 これが、人類の脳が、どうしてコレほど大きくなったか、という謎に対する、私の回答。


 人類の脳は、この3万年間で1割も縮んだそうだ。
 なぜ、小さくなったのか?

 答えは、「服」と「住居」。
 人類は、暑ければ服を脱ぐ、寒ければ服を着る、という習慣を発明した。
 人類が縫針を発明したのは今から5万年前だから、それが人類に広範囲に広まって、高性能な衣服を必要とする大半のヒトが所有できるようになったのが3万年前だとしても、不思議はない。
 また、体温調節には、住居という要素も大きい。
 そして、暑さ、寒さを凌げる家に住めるようになると、「肉体」は横着なので、エネルギーをやたらと浪費する期間である脳は、「少しでも休ませよう」という事になる。
 だけど、脳は24時間、常に活動をする臓器。脳のエネルギー効率を高める、というのは、「脳を小さくする」というのと同じ事になる。

 だから私は、「生活環境が良くなったので、今度は一転して脳の縮小が始まった」ものだと考える。

 この傾向は、科学技術の恩恵を存分に享受できる現代の我々の代以降、加速度的に進むものと考えられる。
 特に、エアコンは、室内環境を「常に快適」に保つことが出来る。

 こうなると、脳は止めどもなく、小さくすることが可能となる。

 かなり、恐ろしい話ではある。



 と。
 なんだか、今回だけを読めば、ひと通りわかるようになってしまいました。
 とりあえず、このシリーズはこれでひとまず終わりです。

 さて。
 科学者の皆様方は、この問題に対して、どんな結論を導き出してくれるのでしょう?
 私は、今回の説はすごく自信があるんですが。
(まぁ、自説を公言する人ってのは、みんな、自分の考えに自信があるから、人様に向って話すわけなんですけどね)


 本当は、本とかにまとめて公表したり、論文としてまとめてネイチャーに送りつけたり出来ればいいんですけどね。
 科学論文ってのは、書くのに資格が必要みたいなんで。
 でも、一人で胸に仕舞っておく、ってのも、やっぱり無意味だしね。

 ちなみに、「昆虫は、何時頃、どういう風に進化をした生物なのか」とか「カンブリアンエクスプリュージョン(進化の大爆発)というのは、どういう現象だったのか」みたいなことを、何年も前に公表したことがあるけれど、世間は全く無反応だった。

 世の中、そんなものらしいです。



 終わり。

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Posted bysusa

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