スサノオは一万歳――その③

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 スサノオは一万歳――その③
富士山噴火AA

(この記事は《スサノオは一万歳――その②》の続きです

 冨士山はスサノオの分身ですが、同時に、冨士山の噴火口から立ち上る噴煙も、同様にスサノオの分身です。
 だから、神話の中でスサノオは、黄泉の国へ行く前に、まず高天原に暮らすアマテラスに挨拶に行く事にします。火口から吹き上がった噴煙は、空へ上がるからです。

 そして、スサノオはしばらく高天原に留まって、悪事の限りを行って、追放されてしまいます。
 そりゃ、そうでしょう。
 火山灰をタップリ含んだ噴煙なんて、迷惑以外の何者でも無いのですから。
 同時に、この時点でのスサノオは、突風や、暴風雨、雷雲や台風といったものの化身でもあるのです。
 居ますよね。些細なことでも癇癪を起こし、人々に八つ当たりする人が。
 雷を落としたり、言葉の礫をぶつけてきたりする人が。
 そんな事を繰りかえす人が居たら、周辺の人々は、いずれ愛想を尽かしますよね?

 この頃のスサノオは、まさにそんな感じの、どんより曇った、ピリピリ放電しちゃたりするイヤな黒雲だったわけです。

 そういうわけで、スサノオは高天原を追放される事になります。
 では。
 黒雲が天界を追放されるって事は、一体どういう事でしょうか?

 答えは、「雨」です。
 自然界で、空に上がった雲は、雨となって再び地上に帰るのです。
「スサノオが天界から追放された」というのは、ようするに、「空に上がった雲(煙)が、今度は雨になって地上に降り注いだ」ということです。

 そういうわけで、地上に降りたスサノオは、川岸に沿って下って行きました。
 というか、地上に降り注いだ雨は、川になるのです。
 だから、今度のスサノオは、「川の神様」なのです。

 川沿いに歩いたスサノオは、泣きじゃくる一人の娘と出会います。
「姉達は、全員ヤマタノオロチの生け贄に捧げられてしまいました。今度は自分の番です」そういって、泣き叫びます。
 娘の両親も泣いています。

 火山灰が堆積した溶岩地帯に雨が降り続いたら、どんなことが起こるでしょうか?
 水を吸い上げてくれる草木は、残らず焼え尽きてしまいました。少しの雨で、あっという間に洪水が起こる状態です。
 瞬く間に河川の氾濫。悪い時には、土砂崩れや土石流の発生を伴います。
 それらが、生き物や人々を呑み込んでゆきます。
 この時の少女は、そういう生き物たち、人間達の象徴です。
 それが、ヤマタノオロチです。
 しかし、このヤマタノオロチといういは、冨士山が吐き出した火山灰や雨によって生じた物です。言い方を変えると、それ等はスサノオ自身を、別の角度から眺めた物でしかないのです。
 つまり、娘や老夫婦を泣かせていたのは、他でもない、スサノオ自身なのです。

 ヤマタノオロチは、川の神様(悪鬼?)状態のスサノオ自身だったのです。

 その④へつづく。

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Posted bysusa

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