「ひっくり返し」という文化。

susa

 「ひっくり返し」という文化。

イザナミ、三変化(SS)
 ※ 3つの映像は、全部、同じ土器を、向きを変えたりひっくり返したものです。

 縄文の人々は、「ひっくり返し」という風変わりな世界観を持っていました。
 男には女、男には女という「対」がある。
 天には地、地には天という「対」がある。
 この世には、あの世という「対」がある。
 生きている者は、死ぬ。死んだ者も、やがて転生してこの世に帰る。

 縄文人が、《一年》(345日)という一区切りの事を《暦》(こよみ=五四三)と呼ぶことにしたのも、この「ひっくり返し文化」の賜物だと考えられます。


「釣手式土器が、宇宙人の顔に見える」、という主張があります。

 でも、よく考えて下さい。

 出産中のイザナミがいる。
 ひっくり返って、死体になる。
 それが更にひっくり返って、イザナギを襲う「鬼」になる。
 日本神話は、そもそも、そのようになっていますね?

 だから、三段変化したイザナミが「化け物」に見えるのが当たり前なのです。
 ですが、それは黄泉の国でイザナギを襲おうとした時のイザナミの姿をイメージしたものであって、宇宙人ではないのです。
 あれが宇宙人ならば、後ろに「人間の顔」なんて付けません。


 この土器は、村人を集めて、神話を語って聞かせたりするときに使用されたのだと考えます。夏の夜中に、屋外で、火を炊きながら、演奏付で、年老いた語り部によって、語られたのでしょうか?
 特に子供たちは、この手の細工に驚嘆して、泣き叫ぶような子供もいたでしょう。
 そうやって、黄泉は恐ろしいところだと心に刻みこませることで、親をなくした子供たち、あるいは、妻をなくした夫が、「母親に会いにゆくために自殺しよう」、みたいな考えをさせない効果を期待したのでしょう。

 間違いなく、この土器には物語があります。
 私達のよく知る、「イザナミ」の物語です。すべての要素を説明できる解は、他には考えられません。
 3変化目は、完全なバケモノの頭部なので、単体だと宇宙人に見えてしまうかもしれませんが、もしこれが宇宙人であるならば、「後ろの顔」はどう解釈するんでしょうか?

 全体の一部だけを抜き取って解釈してはいけません。

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Posted bysusa

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