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釣手式土器・イザナミ説

susa

釣手式土器・イザナミ説

(イザナギとイザナミの物語の保管記事)

釣手式土器


 写真の右側を「表」、左側を「裏」とする。
 表側の上部には、明らかに人面である。
 中央部にある穴は、女性器か、あるいはお腹(開腹された状態)に相当すると思われる。ただし、神話に開腹された神などいないことから、この穴は女性器なのであろう。
 もし、この大穴が女性器であるなら、両脇にある左右5対の穴は、足の指ということになる。従って、これは出産中の女性を、大幅にデフォルメした女性を模した土器、ということになる。
 器の中に煤がこびり付いていたという事なので、使用時には火を焚いて居たと推測される。という事は、女性器に相当する箇所から火が見えたという事になる。
 この時点で、日本神話の中でこの条件に該当するのは、ただ一柱に絞られる。
 イザナミである。
 イザナギは火の神を産んでしまった結果、身体が焼けて命を落とした。

 裏側は、異形の鬼の面か、蛇の頭部を思わせる。
 後方(頂部)に見えるのは、眼を見開いた(目玉の落ちた?)状態だろうか?
 黄泉の国で、イザナミの身体の上に乗っていた、8人の雷神か、雷神が放っている稲妻(稲妻は、しばしば蛇に例えられる)の様な存在に見える。
 両目に相当する処からは、やはり火か覗いて見えて、異形の悪鬼のように見えたであろう。

 裏表一体の器なのだから、釣手式土器はイザナミとみなして間違いないだろう。
 縄文期には、イザナミが存在していて、それが広く崇拝の対象であった、という事である。
 遮光器土偶=ヒルコはお産に関連している。
 ヒルコは、お産失敗の象徴である。

 イザナミもまた、お産失敗の象徴である。
 故に、崇拝の対象となったのだと思われる。

 何故ならば、イザナミは、イザナギとの別れ際に語った、「一日に千人殺す」という言葉は、そのまま「お産の失敗」と結びつくからだ。
 だから、イザナミを崇拝することで、「殺さないで貰う=お産に成功させて貰う」ことが、宗教行事として昇華される余地がここにあるのだ。

 そして、この釣手式土器は、妊婦が産屋で出産状態にある時に、親類が何処かに集まり、この器の中で火を焚いて、皆で出産の成功をイザナミに縋る、臨月が近づいた母親が暮らす家の中に、火を絶やさずに置いておき、度々祈る、というような形で使用されていたのではないかと思う。
 この土器は、時代と共に形を変えながら存続し、ある地方からのみ、ではなく、日本全国から出土している。

 母親であるイザナミ、子供であるヒルコが居たということは、夫であるイザナギが居ないわけがない。
 だから、縄文時代には「日本神話の原形」が完成していた、という事になる。
 そして、縄文人は土偶や土器として、アマテラスやツクヨミ、スサノオの姿を全く残してはいない。
 という事は、かなり長いこと、日本神話はイザナギ、イザナミ、ヒルコを中心にした、短い物語であったか、後生に全く伝えられなかった部分が別に遭ったのではないか、という事になる。

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Posted bysusa

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